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文系と理系が分かれた理由

この記事では以下の「文系と理系はなぜ分かれたのか」という本を読んだ感想を述べようと思います。

 

 

そもそもこの本を読もうと思ったきっかけはツイッターのTLに流れてきたのを見てずっと疑問だった「文系と理系はどうして分かれたのか」というのを解決してくれそうな気がしたからです。

 

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内容に入る前に著者の略歴に軽く触れておきます。

隠岐/さや香
科学史家。東京都出身。東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。博士(学術)。現在、名古屋大学大学院経済学研究科教授。単著『科学アカデミーと「有用な科学」―フォントネルの夢からコンドルセユートピアへ』(名古屋大学出版会、2011年)は、科学史・社会史・思想史を横断する力作として第33回サントリー学芸賞(思想・歴史部門)を受賞するなど高く評価された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  

 

どんな人にオススメか

・文系・理系のどちらを選択しようか迷っている人


・文系と理系がどのように分かれたのか知りたい人
 

 

本書の目次

 

第1章 文系と理系はいつどのように分かれたか?

 

この章では自然科学と人文社会科学に関する分野が成立した流れが書かれており、それ

 

ぞれの分野が宗教から独立しようとする過程が記されています。

 

大学が誕生する前はアカデミーという知的好奇心のある人々が集まって色々と議論する

 

場があったらしいです。

 

この章で書かれていた自然科学と人文社会科学の違いは前者が望遠鏡などの道具を使っ

 

て客観性を重要視したのに対し、後者は人間至上的な考えに近くて自分達の力でなんと

 

かしなければならないという気持ちが強かったそうです。

 

この時代に望遠鏡とか顕微鏡を発明した人って手先が器用でなおかつ賢かったんだなぁ

 

と思います。

 

第2章 日本の近代化と文系・理系

 

この章で本書のタイトルにもなっている疑問に対する回答が書いてあります。

 

文理が分かれたのは明治時代の学校制度と官僚制度が深く関係していたそうです。

 

このころの日本では学問の諸分野が細分化され専門化されていたそうです。

 

そして、法律系の文官と興業系の技官に分けられておりその役割も明らかに違っていた

 

そうです。

まぁ役割が明確に違えばどのようなことを学んだかでなりやすさが違うのも容易に想像できますね。

 

つまり文理が分かれたのは国の政策だったのでは・・・。

法と工の実務家育成を主目的としていました。

 

技術が発展すれば経済も潤うよねっていう思考だったらしいのでなんだか「アイアンマン」みたいな世界線ですね。

正しくは現実でこういう考えが西洋あたりにあってそれで映画が作られたんだと思います。

 

第3章 産業界と文系・理系

 

第2章で私がずっと疑問だったことは分かりましたから正直言ってこの先はもう読まなくてもいいかなと思っていました。

 

この章では見出しどうりのことが書かれています(適当)

 

文系と理系で企業から求められていることはどのように違っているのか。

この一文について議論しています。

 

第4章 ジェンダーと文系・理系

 

この章では男と女で文理の向き不向きがあるのかということについて書かれています。

 

結論から言うと、様々なデータが出ているけれどイマイチよく分かっていない、です。

 

だろうなぁとは思いましたが(ここで断言すると炎上してしまうので)。

 

こう言う傾向があるらしいよ。でも正確なことは分かっていないんだ。

これの繰り返しです。

 

そんな中でも私が確かにと思った箇所は「自信の大きさが文理選択の決め手になるかもしれない」というところです。

 

確かにその科目に対する自信っていうのは割と重要で中学校ぐらいの早めの段階で理数系科目に自信が持てなくなると文系に行く可能性が高いと思います。

 

第5章 研究の「学際化」と文系・理系

 

学際化とは、ある課題や疑問を解決するために複数の分野が合わさることです。

 

まぁ最近だとプログラミングが必修になってそれまではプログラミングと言えば理系の人がやるやつでしょ、みたいなノリだったけどこれからは文系の人もやらないといけないよっていう流れからも分かります。

 

学際領域が生まれてもそれまでに存在していた単体(厳密には真に単体で学問なんて成り立っていないと思うが)での学問領域は消えることはないでしょう。

 

ただ新たな領域が増えるだけですね。

 

そうして学際領域を作る意味は、ある分野の方法論が今まで試行錯誤を繰り返しながら

 

築き上げられたものなのでその方法を用いて他の分野を捉えることで新たな気づきを生

 

むためではないでしょうか。

 

まとめ

 

タイトルに対する筆者の回答は第2章で書かれています。

 

しかし、後半は後半で「なるほど」と思うような言葉があったので面白かったです。

 

手頃なサイズで250ページほどなのですぐに読み切れるのも良いと思いました。

 

総合的に判断して星5中、★★★★です。