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仮想通貨3.0 ~仮想通貨の可能性と未来~

今回は「仮想通貨3.0」というマルク・カルプレスさんが書いた本を読んだのでその書評をしていきたいと思います。

 

仮想通貨3.0

仮想通貨3.0

 

 

 

まずはじめに著者のマルクさんの紹介から。

1985年、フランス・ディジョン生まれ。幼少期からコンピュータに興味を持ち、3歳からプログラミングを始める。15歳ごろ、友人やネットで知り合った人たちとサーバーホスティング事業を立ち上げる。18歳でゲーム会社に入社し、1年半ほど就業したのち、個人でエンジニアの仕事を多数請け負う。20歳で現Netway SAに開発者として入社。研究開発副部長となり、決済関連業務も担当する。2009年に日本に移住、株式会社TIBANNEを設立し、サーバーホスティング事業を始める。2011年にマウントゴックスのビットコイン事業を譲り受け、その運営に携わることになる。ビットコインの急激な価格上昇期を経験し、世界最大の交換所となるが、2014年にハッキングに遭い、破綻。2015年に私電磁気記録不正作出・同供用 及び業務上横領などの容疑で逮捕されたが、2019年3月に事実上の無罪判決を勝ち取る。現在はトリスタン・テクノロジーズ株式会社の取締役CTO。趣味はアップルパイ作り。日本のアニメや漫画に造詣が深く、「アニメソムリエ」の異名を持つ。

(本書の最後のページから引用) 

 

マルクさんはフランスのディジョンというフランス東部の首都で生まれました。

父親がいない家庭で育ったのですが、母親は地質学者でその影響もあってか3歳の頃からプログラミングをしていたそうです。

 

もう経歴が天才のそれっぽくなってきましたね。

 

筆者の偏見ですけど世界の成功者ってだいたい3歳からプログラミング始めてる気がするんですけどこれって世界の成功者の親の中で必須事項にでもなってるんですか!?

 

 

マウントゴックス事件について

大学へは行かずに18歳でゲーム会社に就職。そして2011年、マルクさんが25歳の時にジェド・マカレブという人物からマウントゴックスを譲り受けます。

 

また、徐々にビットコインの価値が上がっていき、マウントゴックスのユーザー数は100万人を突破しました。ここまで約3年の出来事です。

 

そんな絶好調のなか、何者かによってハッキングされビットコインを盗まれて債務超過に陥ります。

 

警察からは電子データを不正に変更したりして会社の事務を阻害したとして逮捕されました。

 

そっから何やかんやあって*12019年に無罪判決を受けます。

 

で、結局ハッキングしていた犯人はロシアの仮想通貨取引所のオーナーであるアレクサンダー・ヴィニックという人だったらしいです。

 

仮想通貨で重要なシステムついて

ここでは仮想通貨の一つであるビットコインを例にあげます。

例えばAさんがBさんに3BTC(ビットコイン)を送金したいとします。

それで実際に送金するにはどのようなプロセスを経て進んでいるのでしょう。

 

まずはP2Pネットワークという方法でAさんがBさんに「3BTC送金したい」というリクエストを共有します。

 

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 リクエスト情報の共有をした後でマイニングという作業を行い、ブロックチェーン上に記録されれば無事に送金完了となります。

 

マイニングというのは簡単に言えば当てずっぽうの数字を選んで目的に合う物が出るまで繰り返す作業のことです。

 

筆者は今までこのマイニングという作業を狙って行えるものだと思っていましたがどうやら運ゲーらしいです。

運ゲーといっても計算できるスピードとか量が多い方が有利なので今となっては個人でマイニングする機会はあんまり無く、企業がサーバーを用いてゴリゴリ計算しています。

 

このマイニングでも報酬として仮想通貨は手に入れられるのですが先ほども述べた通り個人でマイニングして成功させるのは難しいので実際には仮想通貨取引所から買う方が良さげです。*2

 

そして仮想通貨で用いられているシステムで新しかったのがこのマイニングです。

なぜならマイニングという作業がブロックチェーンに組み合わさることで誰でも参加できるオープン性を保ちながらセキュリティを向上させられるからです。

 

マイニングは運ゲーなので悪意のある人がマイニングに成功して新しいブロックを作れたとしても次にブロックを作った人が前のブロックを修正して・・・という具合に簡単にウイルスなどを入れられない仕組みになっています。

 

この仕組みをPoW*3と言います。

 

仮想通貨のセキュリティ

仮想通貨の取引には銀行と大きく違う点があります。それは管理者がいないことと匿名で行われることです。

 

仮想通貨の取引には暗号化技術が使われており、その技術で作られた秘密鍵と公開鍵によって正しく取引が行われたか確認できます。

 

秘密鍵は送金する人(先ほどの例ならAさん)しか持てないもので公開鍵は秘密鍵とペアのような関係になっています。

そして公開鍵で取引が途中で改ざんされていないか、本当にAさんが送金したのかという確認ができます。

 

ここら辺の暗号技術に興味が出てきたら結城さんの暗号技術入門でも読もうと思います。

 

また、仮想通貨の保管方法には2種類存在していて「ホットウォレット」「コールドウォレット」と呼ばれています。

 

ホットウォレットは仮想通貨のパスワードをインターネット上に管理していて、コールドウォレットはネット上で管理していません。

 

それぞれメリット・デメリットがあるのでそこらへんを考えて保管するのが良さげですね。

 

イーサリアムという仮想通貨はスマートコントラクタと呼ばれる契約をスムーズにするのに優れていて通貨以外にもこんな使い方があるのかと驚きました。

 

他に知らなかったことといえば仮想通貨の世界でもクラウドファンディングに似た仕組みが存在してるそうです。ICO*4といいます。 

 

しかし大体が詐欺らしいですが・・・。

 

マルクさんの今

トリスタン・テクノロジーズという企業のCTOをしています。

「AtOnline Drive」というオンラインストレージサービスを開発したそうです。

 

日本が好きでそのために色々とやってくれているみたいなので個人的に応援したいと思います。

  

 

 

*1:より詳細が知りたい方はぜひ本を読んでください

*2:仮想通貨の種類にもよります

*3:プルーフ・オブ・ワークの略

*4:Initial Coin Offering