「思考の整理学」の内容を整理してみた
今さらながら、外山滋比古さんが書いた「思考の整理学」を読んだのでその内容や感想をテキトウに整理する。
下のグラフもどきは、本書の章とおもしろさの関係を表したもの。
見て分かる通り、最初と最後の章が特に筆者からのメッセージ性が強いところ。
2~5章は独力で思考するためのhow toが書かれており、目新しさはあまり感じられなかった。
しかし、1章、3章、6章だけでも読む価値は十分にあるかと。
本書では、グライダー人間と飛行機人間が対比されている。グライダー人間とは、知識や情報が与えられれば、それらを学習する人間を指す。
しかし、自分で新しいく物事を発見したり、創造性を活かすことができない。
知識や情報を記憶するのはコンピュータの方がはるかに優れている。
そして、そういうテクノロジー(今でいうAI)が人間の仕事の一部を奪うと予想される。
ここまでは多くのメディアや記事で書かれている内容だろう。
学校はグライダー人間養成所なので、飛行機人間がいると迷惑である。学校で内職*1すると先生から注意を受けるのは、そういう飛行機人間は邪魔だからではないだろうか。
だが、本書を読み進めていくと、授業で教えてもらうような内容を、内職して学んだとしても、飛行機人間にはなれないことが分かる。なぜなら、創造的な思考は本から学べる知識のような第二次的現実ではなく、日常やリアルに根ざした第一次的現実から生まれるからである。
つまり筆者は、内職のように本から学ぶ知的活動はリアルな生活と隔たりがあるため、真に創造的ではないと主張している。ふーん。
そして、本書の第1章「グライダー」で、このような文が出てくる。
いまの社会は、つよい学校信仰ともいうべきものをもっている。全国の中学生の九四パーセントまでが高校へ進学している。高校くらい出ておかなければ・・・・・・と言う。
今はどんな感じか気になったので、軽く調べてみた。詳しいことは次のリンクを参照してほしい。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kaikaku/20201027-mxt_kouhou02-1.pdf
どうやら現在では、高等学校等への進学率はおよそ99%にも登るらしい。
ちなみに大学進学率についても気になったので調べてみた。詳細は次のリンクを参照。
https://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2019/08/08/1419592_1.pdf
令和元年度における、大学(学部)進学率はおよそ54%である。
ちなみに、本書が発売された1983年の大学(学部)進学率はおよそ24%なので、今は「大学くらい出ておかなければ・・・・・・」になっていそう。もしくはこれから先、そういう空気になりそうだと思った。
Q 本書を読んで実践していることはありますか?
A 朝食をあまり多く摂らないようにしています。お腹が満たされていると、消化にエネルギーを多く使ってしまい、集中の質が下がるので。
本書の「朝飯前」を参考にしています。
Q 本書が世に出てからおよそ37年経って(2020年現在)いますが、今でも読む価値はありますか?
A あると思います。
*1:先生の話を聞かずに、独学すること